物流ニッポン5月1日号に当社が掲載されました

当社オリジナルの取り組み!

 

2017年(平成29年)5月1日(月曜日)物流ニッポンLOGISTICS NIPPON

オンリーワンへの道----大森運送

 【広島】大森運送(大森才喜社長、広島県呉市)は重量物・特殊輸送のノウハウを強みに、業績を伸ばしている。成長の原動力となっているのは、経営者に加えて各拠点長による情報収集能力の高さだ。公共事業や産業界の動きをいち早くつかんで、即応できる体制を整えている。また、安全管理を徹底するとともに、未経験者を育成する環境を整備。人手不足が叫ばれる中、入社希望者が後を絶たない状態だ。(矢野孝明)

 呉本社のほか、東北(宮城県名取市)、関東(千葉市中央区)、滋賀(東近江市)、岡山(岡山市東区)、徳山(山口県周南市)、北九州(北九州市門司区)、仁方(呉市)の各営業所を設置。地場だけでは将来的に限界が来ると判断し、1989年から各地へと拠点を展開していった。設備投資の回収に時間を要した営業所もあったが、おおむね軌道に乗って基盤が固まり、5年前から売上高は右肩上がりを維持。

特殊輸送で業績伸ばす

 車両数は現在、トレーラを中心に100台を保有する。従業員数は161人で、うちドライバーは88人となっている。2013年には、高速道路の整備に伴い、1年間でトレーラ500台を投入する大規模な事業を受託した。庸車を集めて悪戦苦闘しながらも業務を遂行したことで、信用が高まり、重量物や難易度の高い特殊な荷物の輸送依頼が続いている。受け身の姿勢だけでなく、営業活動にも注力している。各営業所長は、担当エリアの公共事業などの動向を早い段階でキャッチ。新たなビジネスチャンスや、荷物の獲得につなげている。顧客は多岐にわたり、リスクヘッジとして、メイン荷主でも取り扱いは売り上げ全体の3割程度にとどめている。業績アップの根底を支えているのは、高い安全品質だ。ほぼ全車両がエアサスペンションを搭載し、精密機械の輸送にも対応。また、ドライバーは荷物を積んだ後、会社から貸与されている携帯電話のカメラで、固縛した状態を必ず撮影。事務所に送信し、許可を得なければ、出発できないルールとなっている。更に、荷主にも同じ写真を転送することで、安心感を与えている。

未経験者の育成環境整備

 事故防止に関しては、日々の指導教育に加え、毎月のドライバー安全会議と、年2回の全体会議を実施。ハード面でも、ドライブレコーダーやバックアイカメラ、GPS(全地球測位システム)による動態管理を、10年以上前から全車両に導入してきた。各機器から得られた情報は、危険予知運転などに活用。労働環境にも配慮し、パーキングクーラー、ヒーターも取り付けている。特殊輸送が強みなだけに、ドライバーには専門のノウハウが求められるが、同社では、新人を育てて一人前にする風土がある。未経験者はベテランによる添乗指導を受けた後、4トン、大型と徐々にステップアップ。入社後1年6カ月程度で、トレーラによる特殊輸送をこなせるようになるのが一般的だ。広域に拠点を展開する分、社内のコミュニケーションも重視している。他の営業所の様子が分かるよう、社内報「大森新聞」を毎月発行。社員のプライベートも織り交ぜる多彩な内容で、これまでに57号を数えた。大森栄作副社長(58)は「他社がやりたがらない荷物を扱うのが、当社の最大の特長。それだけに、待遇面も整えている。人が人を呼ぶ状態で、募集を中断するほどだ。動画サイトに投稿された当社の特殊輸送の映像を見て、『かっこいい』と、大手メーカーを辞めて来た若手もいる。現場、営業共に意識の高い人材の集団で、更に発展していきたい」と話している。

 

2017年05月02日